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藍を継ぐ海

『藍を継ぐ海』という本を知った。
伊与原新さんの短編集で、科学と人々の暮らしを絡めた5編の物語が収められているらしい。

ウミガメ 海

科学がテーマの小説というと、少し難しそうな印象を持ってしまうけれど、
この本は自然や地域の文化と結びついているところが魅力のように思う。

 

表題作「藍を継ぐ海」は、徳島の海辺の町が舞台。
祖父と暮らす中学生の少女が、ウミガメの卵を育てようと奮闘する話だそう。
ウミガメの生態や海洋の広がりが描かれていて、自然の力強さや生命の循環を感じられる作品のようだ。

 

また、「夢化けの島」では、山口県の見島を舞台に、地質学者と元写真家が伝説の土を探す物語が描かれる。
地質学という切り口が新鮮で、物語を通じて島の成り立ちや歴史を知ることができそう。

 

北海道が舞台の「星隕つ駅逓」は、遠軽町に落ちた隕石を巡る家族の物語。
天文学や隕石という科学的な要素が、どんな風に物語に組み込まれているのかが気になる。

 

伊与原さんは地球惑星科学の研究者だったそうで、
科学的知見を物語の中に自然に取り入れているらしい。
それぞれの話に科学がどのように織り込まれているのか、読んで確かめたくなった。

 

科学と人間ドラマが融合した短編集。
今まであまり触れてこなかったジャンルだけれど、
新しい視点が得られそうな一冊だと思った。

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