『音楽と科学 心地よくひびく和音の秘密とは』――音の奥にある法則
心地よい和音を聴いたとき、その“気持ちよさ”の正体を言葉にするのはむずかしい。
音が重なった瞬間に生まれる響き、そのわずかな振動の差がどうして感情を動かすのか。
そんな問いに、科学の側から近づこうとするのが、ニュートンプレスのムック『音楽と科学 心地よくひびく和音の秘密とは』です。
音楽を“感じる”ことと“理解する”ことのあいだを、やわらかな図解と鮮やかな写真でつなぐような一冊。
音を聴く行為そのものが、どこか再構築されていくような印象を受けました。
波のかたちで見えるもの本書 ...
エブリシング・ヒストリーと地政学 ―― マネーが描く、世界の裏側の地図
歴史を学ぶとき、いつも「人」や「出来事」に注目してしまう。
けれどこの本のタイトルを見たとき、その背後にある「マネー」という流れに光を当てていることに惹かれました。
『エブリシング・ヒストリーと地政学』(エミン・ユルマズ著)は、マネーが文明を動かしてきた構造を、地政学的な視点で読み解こうとする一冊。
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エブリシング・ヒストリーと地政学 マネーが生み出す文明の「破壊と創造」 [ エミ…
副題には「マネーが生み出す文明の破壊と創造」とあります。
資源戦争 ...
「スマホ時代の『眼』メンテナンス」 目の静けさを取り戻すために
スマートフォンの画面を長く見つめていると、目の奥がじんわりと重くなることがあります。
そんなある日、書店でふと手にとりたくなったのが、眼科医・栗原大智さんによる『スマホ時代の「眼」メンテナンス』という本でした。
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眼科専門医が教える最新知識 スマホ時代の「眼」メンテナンス
タイトルの言葉に、“今”をそのまま映しているように感じました。
スマホやパソコンが欠かせない毎日の中で、知らないうちに目が疲れていることに気づく瞬間。
この本は、そんな現代の生活を見つめ直すた ...
古内一絵『女王さまの休日―マカン・マラン ボヤージュ』に感じる、旅の余韻
本を開く前に、タイトルの「女王さまの休日」という言葉に少し心が和みました。
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女王さまの休日 マカン・マラン ボヤージュ (単行本)
どこか自分の中にもある「休み方を忘れてしまった誰か」を思い出させるようで。
古内一絵さんの新作は、人気シリーズ「マカン・マラン」の続編として、開店十周年を迎えた物語のその先を描くのだそうです。
“マカン・マラン”という静かな場所シリーズを通して、夜ごとに人が集い、食を通して心を癒やす小さな店「マカン・マラン」。
そこに流れていたのは、日常の延長線上にある小 ...
早見和真『ザ・ロイヤルファミリー』と、受け継がれていくもの
タイトルを見ただけだと、王家の物語かと思う人もいるかもしれません。
確かに、早見和真さんの『ザ・ロイヤルファミリー』は、血統と継承を描くという点では、まさに“王家”の物語と呼ぶにふさわしい小説です。
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ザ・ロイヤルファミリー (新潮文庫)
舞台は競馬の世界――人と馬、そして家族の20年にわたる物語が静かに、けれど確実に熱を帯びて展開していきます。
競馬という鏡に映る人間競馬と聞くと、華やかなレース場や歓声のイメージが浮かびます。
けれどこの作品で描かれるのは、その裏側にある人の感情の複雑 ...