無料自動販売機と、ものの価値をめぐる静かな問い

街を歩いていて、ふと足を止めた。
自動販売機の前。
けれどそこには、金額の表示がない。
代わりに、小さなQRコードと「無料」という文字。
――いま、「無料自動販売機」というものが少しずつ広がっているのだそうです。
“お金を入れない”自販機この仕組みは、企業のマーケティングや試供品配布の一環として生まれたもの。
利用者は、LINEの友だち登録や簡単なアンケート回答を条件に、コスメや飲料などのサンプルを受け取ることができます。
駅や ...
糖尿病薬を「やせ薬」として使うこと

最近、一部の糖尿病治療薬が「やせ薬」として注目を集めています。
本来は血糖値をコントロールするための薬ですが、体重減少の効果が副次的に見られることから、安易にダイエット目的で手に取ろうとする人が増えているといいます。
けれども、その使い方には大きな危険が潜んでいます。
薬は体を整えるためのもの糖尿病薬は、血糖値を下げる作用を持つ強力な医薬品です。
必要のない人が服用すれば、低血糖や脱水、体調不良といった副作用を引き起こすリスクがあります。
さらに自己判断で服用した場合、持病との相互作用や体質に合わない反 ...
「夏季休工」という余白と、猛暑の中で立ち止まること
夏の陽射しがジリジリと地面を焦がすような日、街の工事現場を横目に歩いていると、その暑さがどれほど過酷かを想像せずにはいられません。
汗を拭う間もなく重い機材を扱う姿には頭が下がる思いがありながらも、「この暑さの中で働き続けるのは本当に大丈夫なのだろうか」と心配になることがあります。
そんな中で知ったのが、建設・土木の現場に「夏季休工」という仕組みを導入しようとする動きです。
夏季休工とは何か国土交通省(国交省)が検討しているこの制度は、真夏の1~2か月ほど、公共工事の現場を原則として休止するというもの。
道路や舗装 ...
3年ぶりの皆既月食がやってくる夜

空がゆっくりと暗く沈み、やがて月が影に覆われていく。
そんな光景を、もう一度目にできる機会が近づいているそうです。
2025年9月8日の未明、日本各地で3年ぶりとなる皆既月食が観測できると伝えられています。
前回は2022年11月。
月が赤銅色に染まる瞬間を、再び見られるかもしれないと思うと、胸の奥に小さな灯りがともるような気がします。
今回の皆既月食の流れ月が地球の影に入り始めるのは午前1時半ごろ。
そこからゆっ ...
JPYC ステーブルコイン|静かに動き出す「デジタル円」の気配

もし、財布の代わりに、名前さえそのまま「JPYC」と呼ばれる、1円がそのまま1JPYCになるようなデジタルコインを使うとしたら。
そんな未来が、どうやらもうすぐやってきそうです。
国内初の円建てステーブルコイン日本のフィンテック企業、JPYC社は、2025年秋にも日本円と1:1で交換可能なステーブルコイン「JPYC」の発行を予定しています。
金融庁から「資金移動業者」としての正式な登録を得たことで、法的にも安心して使える仕組みが整ってきたそうです。
裏付け資産は預金と国債このJPYCは、銀行預金や日本国債といった「現実の資産」を裏付けとして ...