FUJIFILM X-E5|静かな視線を持つカメラ
写真を撮るという行為には、少しだけ呼吸を深くするような静けさがあります。
その空気に寄り添うように感じられたのが、富士フイルムの「FUJIFILM X-E5」というカメラでした。
レトロな佇まいと現代の技術
一枚のアルミから削り出された上面のプレートは、どこかフィルムカメラを思わせる質感をまとっているようです。
レトロな手触りと最先端の機能がひとつに重なる姿は、ただの道具以上に「手にしたくなる存在感」を放っています。
細部を映す力
40メガピクセルを超えるセンサーに、5軸の手ぶれ補正。
数字で語られる性能の裏には、夜の街角の灯りや木の葉の揺れを、そのまま残せる安心感が潜んでいるように思えます。
色を選ぶ楽しみ
フィルムシミュレーション専用のダイヤルが搭載され、三つの設定を保存できるとのこと。
その機能は、気分に合わせてフィルムを選ぶ感覚に近く、写真に小さな物語を重ねる楽しみを思わせます。
映像としての余韻
6.2Kや4Kの動画撮影にも対応していると紹介されています。
動きのある風景をただ記録するのではなく、心の揺れをそのまま写すように残せるのかもしれません。
価格と向き合う時間
本体価格は、22万円前後とされています。
気軽に手を伸ばせる金額ではないけれど、「本当に撮りたいものは何か」を自分に問いかけるきっかけになる気がします。
静かな問いを残して
写真とは、景色を残すだけではなく、そのときの心の震えを封じ込めるものなのか。
FUJIFILM X-E5を知った今、その小さな問いが静かに胸に残っています。