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『マイブック ―2026年の記録―』と、白いページに向き合う時間

秋になると、書店に来年の手帳や日記帳が並びはじめます。

背表紙に「2026」の数字が並んでいるのを見ると、少し先の時間に触れてしまったような気持ちになります。

 

その中で目に留まったのが、新潮文庫から刊行されている『マイブック ―2026年の記録―』でした。

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毎年発売されているシリーズですが、表紙をめくると日付と曜日しか印刷されていない真っ白なページが広がっているのが特徴です。

「自分の本」をつくるという発想

通常の本には作者の名前や物語が記されていますが、この本では著者欄が空白のまま。

書き込む人自身が、その一年を物語に変えることになります。

表紙や扉にはプロフィールを書く欄があり、巻末には「あとがき」として一年を振り返る余地が残されています。

 

つまり、手帳でも日記でもない、もっと自由な「白い本」。

自分だけの本を編むための、余白そのものが商品になっているのです。

日々を記す、小さな実験

1日1ページ、日付だけが記された紙面。

そこに何を書くのかは完全に自由です。

 

日々の出来事や気持ちを短く残す人もいれば、詩やアイデアを書き留める人もいるそうです。

 

忙しい日には数行、余裕のある日には長く綴る。

書くことが思い浮かばなければ、ただ空白のままでもいい。

白紙のページは「書けなかった」という出来事そのものを映す鏡にもなるでしょう。

続けることより、向き合うこと

日記は続けることが大切だと考えがちですが、この『マイブック』を手にすると、むしろ「書けなかった日があること」も自然に受け入れられる気がします。

 

1年分の400ページには、自分の生活のリズムや心の動きがそのまま表れる。

 

白いページが並ぶことも含めて、自分の一年がかたちになる。

そこに安心感があるように思いました。

紙の質感と本の存在感

文庫本サイズでありながら、製本はしっかりと開く仕様になっていて、書き込みやすさにも配慮されているとのこと。

表紙はシンプルでありながらも、毎年少しずつデザインが変わります。

2026年版は9月下旬の発売で、価格は税込539円。

新しいノートを開くときのあの静かな高揚感を思い出させてくれる一冊です。

おわりに

日付だけが刻まれた真っ白なページを想像するだけで、未来に向かって静かに呼びかけられているように感じます。

マイブック 2026年の記録

何を書いてもいい、何も書かなくてもいい。

そんな余白の中にこそ、これからの自分を映す時間があるのかもしれません。

 

『マイブック ―2026年の記録―』は、来年という未知を受けとめるための白いキャンバスのように思えました。

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Posted by なお