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「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」――終わりのあとに続くもの

「絶滅」という言葉には、どこか冷たく閉ざされた響きがある。

 

けれど、その奥には、いつも“はじまり”が潜んでいる気がします。

2025年11月から国立科学博物館で始まった「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」は、そんな“終わりと再生”のあわいを描く展覧会のようです。

 

会場は上野公園の中。

古い樹々のざわめきの向こうで、地球の時間がゆっくりと逆流していくような展示が始まっています。

五つの絶滅が語る、生命の記憶

オルドビス紀末、デボン紀後期、ペルム紀末、三畳紀末、白亜紀末。

これら五つの大絶滅――いわゆる“ビッグファイブ”が、地球の歴史を大きく書き換えてきました。

 

火山の噴火、隕石の衝突、気候の急変。

どの時代も、世界の形が一度壊れ、そして新しい命が芽吹いていった。

その繰り返しの果てに、いまの私たちがいると思うと、時間の重なりが少し違って見えてきます。

「大絶滅スフィア」という地球

展示の中心には、“大絶滅スフィア”と呼ばれる映像体験があるそうです。

球体の中で、地球の表層をめぐるように変化する映像。

火山の赤、海の青、氷の白。

色の流れだけで、何億年もの出来事を語るのだとしたら、言葉よりも確かな記録かもしれません。

 

海外から集まった化石標本も並び、それぞれが静かに“失われた世界”を語りかける。

ただの展示ではなく、地球という大きな呼吸の断片に触れるような時間になるのでしょう。

絶滅という名の再生

展覧会の紹介文には「それでも進化は続く」とありました。

その一文が、展示全体の核心のように思えます。

消えることは、終わりではない。むしろ、新しい形で息を吹き返すための間(ま)。

 

ペルム紀の海が失われたあと、また別の命が陸を歩き始めたように、絶滅は“地球が息を整える瞬間”なのかもしれません。

おわりに

「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」は、恐竜や古生物の壮大さだけでなく、“なぜ生き残れたのか”という問いを静かに投げかけてくる展覧会だと思います。

大絶滅展―生命史のビッグファイブ

それは、今を生きる私たちにとっても同じ問い。

環境の変化、社会の揺らぎ、日々の終わりと始まり――

そのすべての中で、私たちは何を残し、どう続けていくのか。

 

いつか展示室の薄明かりの中で、数億年前の海を見上げるような感覚に出会えることを、少し楽しみにしています。

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Posted by なお