映画『星つなぎのエリオ』夜空にひそむ、ひとりぼっちの願い
先日、映画館の前を通りかかったとき、淡い星空と少年の姿が描かれたポスターに足が止まりました。
タイトルは『星つなぎのエリオ』。
その響きに、しばらく見入ってしまいました。
物語の中心は、11歳の少年エリオ。
両親を亡くし、居場所を探すように毎日を過ごす彼が、ある日ふと宇宙に向けて思いを放ったことから始まるそうです。
その声は異星の世界「コミュニバース」に届き、エリオは“地球代表”と誤解されながら、そこで孤独なエイリアン・グロードンと出会います。
互いに理解されずにきた二人が、言葉や種族を超えて心を通わせていく——あらすじを読むだけで、やわらかな余韻を残す物語だと感じました。
レビューでは、美しい星空や幻想的な色彩、異世界の造形に心を奪われたという声が多いようです。
一方で、全体の構成やテンポには賛否があるとのこと。
それでも、「あなたはひとりじゃない」という優しいメッセージが、観る人の胸に静かに届くのだと思います。
この映画には、壮大な宇宙を舞台にしながらも、人と人とがつながる瞬間のあたたかさが確かに宿っている気がします。
夜の暗がりの中でエリオが見上げる星々は、きっと観る人それぞれの“探しているもの”を映すのでしょう。
いつか、この物語が描く星のきらめきと、そこに託された小さな願いを、ゆっくりと受け止めてみたいと思います。