すみだ水族館で「東京金魚~時代を泳ぐ、小さなミューズたち~」
ガラスの水の中を、時代がゆれる——
すみだ水族館で「東京金魚~時代を泳ぐ、小さなミューズたち~」という展示が始まったと知り、思わずその響きに心をとめました。
小さなミューズ。
水の中を泳ぐ彼女らが、どんな時代の記憶を映すのだろうと、静かに想像を巡らせました。
会期は2025年7月24日から9月30日まで。
東京スカイツリーのふもとにあるこの水族館では、季節ごとに趣向を凝らした展示が行われているようですが、今回のテーマは「金魚と歴史」。
江戸から現代まで、金魚という存在を通して日本文化をたどる内容なのだそうです。
展示では、浮世絵や古文書を用いた解説パネルに加えて、ワキンやリュウキン、ランチュウなど15種類以上の金魚が登場するとのこと。
飼育スタッフによるコメントや、美しく撮影するためのガイドなども設けられていると知り、金魚がただ“鑑賞される存在”ではなく、“ともに過ごす存在”として扱われていることに、深いあたたかさを感じました。
さらに、ちぎり絵のワークショップや、作品展示「きんぎょ色合わせ展」も開催されているそうです。
自分だけの金魚をつくり、その作品が展示される——そんな体験は、子どもにとっても大人にとっても、きっと心に残る夏の記憶になるのではないでしょうか。
ペンギンカフェでは、金魚をモチーフにした限定スイーツやドリンクも提供されていて、ミュージアムショップには金魚の彩りをかたどったお茶やグッズも並ぶようです。
水槽を眺めるだけでなく、手のひらや舌の上にまで「金魚」を感じられるのも、この展示の奥行きなのだと思います。
ガラス越しの水の中で、ふわりと泳ぐ金魚たちが、まるで時代の情緒を映すように見える——そんな光景を、静かに思い浮かべていました。