場面緘黙症――声の奥にある思い
誰かと話したいのに、声が出ない。
言葉を知っているのに、口が動かない。
場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)は、そんな「話せるのに話せない」状態が続く心の症状です。
家では笑いながら話せるのに、学校や職場では一言も話せなくなる。
周囲からは「恥ずかしがり屋」や「無口な性格」と見られることもありますが、本人の中では、緊張や不安が身体ごと固まってしまうほど強く働いています。
静けさの中にある“声”場面緘黙症の人は、決して言葉を失ったわけではありません。
家族や信頼できる人の前では、穏やかに会話がで ...