早見和真『ザ・ロイヤルファミリー』と、受け継がれていくもの

タイトルを見ただけだと、王家の物語かと思う人もいるかもしれません。
確かに、早見和真さんの『ザ・ロイヤルファミリー』は、血統と継承を描くという点では、まさに“王家”の物語と呼ぶにふさわしい小説です。
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ザ・ロイヤルファミリー (新潮文庫)
舞台は競馬の世界――人と馬、そして家族の20年にわたる物語が静かに、けれど確実に熱を帯びて展開していきます。
競馬という鏡に映る人間競馬と聞くと、華やかなレース場や歓声のイメージが浮かびます。
けれどこの作品で描かれるのは、その裏側にある人の感情の複雑 ...
法事 いつまでやる
実家から祖父の十三回忌の連絡があり、「法事っていつまでやるものなんだろう?」と考えました。
法事は故人を供養し、家族が集まる大切な機会ですが、近年では省略する家庭も増えていると聞きます。
一般的には、一周忌や三回忌までは多くの家庭で行われますが、その後の七回忌、十三回忌、十七回忌と続く法要については、地域や家庭の習慣によるところが大きいようです。
特に、三回忌以降は親族の状況や距離の問題もあり、簡略化されることが多いそうです。
それでも、祖父の十三回忌を家族で行うことになったのは、やはり「 ...