マヌルネコの赤ちゃん──東山動植物園
名古屋にある東山動植物園で、マヌルネコの赤ちゃんが生まれたというニュースを見かけました。
生まれたのは3頭。
母猫の名前はミーニャ、父猫はエル。
控えめな報道だったけれど、その小さな命の誕生を想像すると、胸の奥にぽっとあたたかい火がともるようでした。
ふわふわの毛の奥にある、たくましさ
マヌルネコといえば、あの丸っこい体と鋭いまなざしのギャップで知られています。
SNSで「世界最古の猫」などと紹介されることもあるけれど、実際に動いている姿を見たことのある人はまだ少ないかもしれません。
今回生まれた赤ちゃんたちは、いまはまだ一般公開されていないとのこと。
母猫のストレスを考慮して、しばらくは非公開だそうです。
でも、ビデオカメラを通して園の方がしっかり見守っていると知り、安心しました。
ぬいぐるみのようで、ぬいぐるみじゃない
園内のショップでは、さっそく「マヌルネコの赤ちゃん誕生記念グッズ」が話題になっているそうで、ぬいぐるみもあるそうです。
ふわふわの毛並みと、どこか気の抜けた表情。
その姿はたしかにぬいぐるみのようだけれど、ぬいぐるみじゃない。
生きている動物には、重みや空気感があります。
そしてそれをわたしたちが感じ取ることができるのは、動物園という場所が丁寧に育て、守ってくれているからだと思います。
ガラス越しの命との対話
公開されたとき、もし東山動植物園を訪れることができたら、マヌルネコ舎の前に立って、ただ静かに見つめていたいと思います。
ガラスの向こうにいるのは、小さくて、でも決して無力ではない命。
その場にいる誰もが声をひそめて眺めるような、そういう空気が生まれる動物園って、わたしはすごいと思うのです。
そしていつか、あの子たちが大きくなった頃、ぬいぐるみを見て「そっくり」と思いながら、ほんものとの違いをしみじみ感じてみたいと思います。