山怪 青 山人が語る不思議な話
『山怪 青 山人が語る不思議な話』という本を、つい先日購入しました。
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表紙の深い藍色と、静かにたたずむような装丁に惹かれて、手に取った瞬間から静かな緊張が走ったのを覚えています。
でも、前作の『山怪 朱』の表紙が狐だったので
これは、もしかして、赤いきつねと緑のたぬき???
と少しソワソワしてしまいました(笑)
「山怪」シリーズは以前から好きで追いかけていたのですが、どうやらこの一冊がシリーズの締めくくりとのこと。
すごく残念ですが、著者の田中康弘さんが説明されている、山怪を語る人が少なくなっている、という話には妙に納得してしまいました。
今回は北から南まで、日本各地の山に生きる人たちが語る「山での不思議な体験」が丁寧に収められているようです。
目次をぱらぱらと眺めていたとき、わたしが特に目を留めたのは、第一章に収められていた北海道の話。
そこでは、山や森には多くの「神」がいて、人間に悪さをすることはないという価値観が語られていたそうです。
本州では、山の存在を「畏れ」として描くことが多いように思います。
怪異や不気味な話として語られることも少なくありません。
でも、北海道の山では、そこに住むものたちがもっと自然に、生活の中の一部として認識されている——その視点の違いに、はっとさせられました。
まだ読み始めたばかりなのに、こうした土地ごとの考え方や山との距離感に触れるだけで、すでに静かな深みの中へ誘われていくような感覚があります。
登場する人々も、決して“話を盛っている”わけではなく、「あれは変だったな」というように、淡々と自分の体験として語っている。
それがかえって、読み手の想像をかきたてるのです。
最初に、このシリーズを手に取ったときは「山怪」という言葉に少し身構えていた部分もありましたが、この本に流れているのは、恐怖ではなく、敬意や静かなまなざしのように感じています。
ページをめくるたびに、山の奥からふわりと何かが現れては、またすっと霧の中へ消えていくような、そんな読書体験になることがあります。
読み終えるまでにはまだ少し時間がかかりそうですが、あえてゆっくりと、夜の静けさに包まれた時間に開いてみようと思っています。









