歌集 ゆふすげ
上皇后美智子さまの歌集『ゆふすげ』が出版されたと知り、自然と心が惹かれました。
以前から、美智子さまの御歌には優しく穏やかな響きの中に、深い思いや祈りが込められていると感じていました。
そのお歌が、未発表のものも含めて一冊にまとめられたというのは、とても貴重なことのように思います。
タイトルになっている「ゆふすげ」は、夕方に咲く花のことだそうです。
美智子さまが庭でその花を眺めながら詠まれた御歌があり、それがこの歌集の名になったと聞き、なんとも美しい情景が思い浮かびました。
夕暮れに静かに咲く花を見つめながら、一日を振り返るような時間を持つことができたら、心が落ち着きそうです。
この歌集には、昭和から平成にかけての466首が収められているそうです。
ご家族への思い、被災地への祈り、日々の小さな出来事に寄り添うお歌…。
時代を超えて紡がれた言葉の数々に触れることで、これまでの日本の歴史や、日常の中にあるささやかな幸せに改めて気づかされるかもしれません。
また、美智子さまのお歌には、いつも温かな眼差しが感じられます。
それは、遠く離れた誰かに向けられたものであったり、身近な人へのさりげない思いやりであったり。
お言葉の中に込められた優しさが、そのまま読者にも伝わってくるような気がします。
2月にはNHKで特集番組も放送されたとのことで、この歌集を通して、美智子さまの歩まれた道や、その中で紡がれた思いを深く知ることができそうです。
紙の書籍だけでなく電子版もあるので、手に取ってじっくりと味わってみたいと思いました。
言葉は、その時々の気持ちを映し出すもの。
美智子さまが紡がれた歌の数々に触れることで、自分の心にも静かに響くものがあるのではないかと思います。
『ゆふすげ』という名の通り、夕暮れの穏やかな時間に、この歌集を開いてみるのも素敵かもしれません。
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