せいろ蒸し
「せいろ蒸しって、意外と手軽なんだよ」
友人にそう言われたのは、ちょっと前の休日ランチのあとでした。
小さなカフェで野菜のせいろ蒸しプレートを食べたとき、蒸しただけなのに野菜が本当に甘くて驚いて。
その感動を話したら、友人がそう教えてくれたんです。
「せいろ蒸し」と聞くと、どこか特別な料理のような気がしていたのですが、家でできるんだと思うとちょっと試してみたくなりました。
さっそく近所のキッチン用品店をのぞいてみたら、思っていたよりコンパクトなサイズのせいろが並んでいて、一番小さい18cmの竹製のものをひとつ、連れて帰ってきました。
その夜、冷蔵庫にあったかぼちゃとブロッコリー、それから鶏むね肉を軽く塩をふって並べて、湯気の上がる鍋の上にセットしてみると、ほんの10分ほどでいい香りが漂いはじめました。
ふたを開けた瞬間の、ほかほかと立ち上る湯気と、野菜の色の鮮やかさに思わず声が出てしまうほど。
そのまま何もつけずに食べてもじゅうぶん美味しくて、素材の味ってこういうことか…としみじみ感じました。

せいろ蒸しのいいところは、ただ蒸すだけなのに、きちんとした食事になるところ。
調味料を使いすぎなくても満足感があるし、何より後片づけが楽なのも嬉しいです。
最近はポン酢やごまだれを少し添えて、気分で味を変えながら楽しんでいます。
調べてみると、せいろ蒸しは中華だけでなく和食にも取り入れられていて、おこわや焼売、魚なども蒸すとふっくら仕上がるのだとか。
いずれ挑戦してみたいなと思いつつ、今はまだ野菜と鶏肉のシンプルな組み合わせを楽しんでいます。
忙しい毎日でも、湯気を眺めながら料理をする時間は、なんだか気持ちがゆるんで、少しだけ生活にリズムが戻ってくるような気がします。
しばらく使わなくなっていた土鍋を引っ張り出してきて、そこにせいろをのせるのも、ちょっとした楽しみのひとつになりました。
食べることをちゃんと味わうって、こういうことなのかもしれません。
せいろ蒸し、しばらく我が家の定番になりそうです。











